Badfinger / Wish You Were Here (1974)

パワーポップの元祖だという話を聞いて買ってみましたが、１曲目からまんまでした。ただ全曲そんな調子ってわけではなくて、むしろビートルズっぽかったり。ホリーズよりももっとビートルズ。M3なんて『アビイ・ロード』に入ってても不思議じゃないくらい。
で、それもそのはずで最初に契約してたのはアップルレコード。当時は「ビートルズの弟」なんて呼ばれていたそうです。
メンバー全員がボーカルでクレジットされてるように、ハーモニーを随所に入れてますが、色々な曲調をもった曲が多くて何度聞いても飽きません。ただハーモニーといってもビーチ・ボーイズやママス・アンド・パパスとも違って、やっぱりパワー・ポップの元祖なんでしょうね。リズムがはっきりとした曲が多いから。でも、雰囲気がどこかセピア色をしていて、昔の映画のなかの世界に見える瞬間もあります。そんな雰囲気がいちばん好きなところかもしれません。ハードボイルドな感じがするジャケットが、作品に不思議とフィットして感じるのもそのせいなのかな。深く練られたメロディとサウンド。ポール・マッカートニーが惚れたのも分かりますね。本当に素晴らしいアルバムです。
後にメンバーが二人も自殺してしまって、黄金時代はこの作品で終わってしまったようですが、そういうのも少し分かりそうに思えます。
他の作品も聞いてみたいんですが、中古盤を地道に集めようかなと思ってます。
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