10,000 Maniacs / Blind Man's Zoo (1989)

julien2004-04-28


アメリカではリリス・フェアっていう女性アーティストだけのライブイベントが開かれていました。そこでサラ・マクラクランと並んで中心的な存在を放っていたのがNatalie Merchant。そして、彼女が昔在籍していたバンドが10,000(テン・サウザンド)マニアックス。
ネオアコっていうよりはポップなフォーク・ロックといった感じの音を聞かせてくれるバンドですが、中心にいるのはやっぱりナタリー。彼女はハスキーがかった純粋な歌声で社会に向き合った真摯な歌を歌います。そこに、リズムギターを中心にしたバンドアンサンブルが重なるといった感じ。
何よりもメロディが素晴らしいです。どの曲も印象に残るものばかり。声を聞いていると、彼女が音楽をしている意味がすごく伝わってきます。
ナタリーはこの後にソロへと転向。残りのメンバーは新たにボーカルを迎えて活動を続けています。日本ではそれほど有名なバンドではありませんが、海外では繊細な若者たちにいまだに高い人気を持っているそうです。

これは彼らの人気を決定付け、最高傑作とも呼ばれるもの。M1"Eat for Two"は「お腹の中にいる赤ちゃんのために食事をする」っていう意味で、10代の妊婦さんの気持ちを歌ったものです。他にも貧しいなかで生きるお母さんの歌や、黒人狩りの歌、そしてM2"Please Forgive Us"ではそんな「私たちを許して」と歌う。清楚な印象を与える曲が、何度も聴いている内にじわじわと染みてくるのは、きっと彼女のハートが私たちにも伝わってくるからなんでしょう。
まあ、こういうのを名盤って呼ぶんでしょうか。いつまでも傍に置いておきたいレコードです。

  • Favorite Tracks

M1: Eat for Two , M2: Please Forgive Us , M9: Lion's Share , M10: Hateful Hate
ASIN:B000002H6E