アルチュール4.17

思考力と想像力、論理的連関と詩的飛躍。俺はこれをすぐに忘れてしまいそうになる。いつだって分割を知らず、互いの利権の主張だけが、お前たちの存在意義なのか?「思惟」のなかでも分裂は内在する。
これではまるで政治家か実務家だ。普段、俺がブラウン管のなかの連中に向けている目は、そのまま奴らと同じ色をしてるじゃないか。
飛躍、俺がこの崖を飛び越えたところで、誰も俺を権利侵害だとか言って訴えたりはしない。要件の成立しない場所では、俺は拘束もされない。この俺自身の目からさえ。
けれど、俺の右手が誰かの手を握り締めていたりしたら、もう、俺は勝手に飛んで行ったりはできないんだ。そして、それは望むことでもある。連関は限界状況を肯定する。ファシズムの到来は、俺の中で革命を抑圧する。

・・ハートを掴むくらいなら問題はなかった。棄て去るのは簡単だった。ヤツにはちゃんと掴む手すりがあったんだ。


さて、旅の始まりを覚悟するにはこれくらいで十分だろう。俺はもう世界を眺める方法ってやつをちゃんと分かっているんだ。
翼は使わなくても、生きてはいけるんだ。それに、空からの救済なんて要りはしない。舞い降りてくるのは小さな黒い粒。悪魔の涙は地面に穴を開けて、小さな水溜りを作るだけだ。地理学者はちゃんと知っている。そんなものは目には見えないと言うだろう。そして、それは決定的に正しいのだ。彼は地図の上で水を探し回ったり、眠りについたりすることはないのだから。

俺も同じだ。水道管とベッドはいたるところにある。

そして、これらが皮肉であったりすることには、もはや必要性すらない!