ある女の子が見てるもの

こんなものが割と話題になっているって聞いたので、読んでみました。
タイトルは、もちろんNHKの『中学生日記』のパロディでしょうが、たとえば『高校生日記』や『大学生日記』なんてものを考えても全然興味が沸かない。『幼稚園日記』じゃ、あまりにリアリティないし、これは思いついたもん勝ちですね。
この子、hanaeはモデルをやってるそうで、どんなファッション誌に出てるかは全然知らないけど、雑誌の表紙やCMなんかでは見たことある気がする。TOKIOの長瀬が「うる星やつら」を歌ってるCMで、彼に投げキッスをしてる女の子ってこの子じゃないのかな。全然、小学生に見えないけど。
実際に読んでみると、そこらへんのコラムや日記より面白くてびっくりします。どうやら彼女のお母さんは大学研究員みたいで、彼女は微妙にACっぽい感じもする。「あそこ(ニューヨークの学校)は、わたしにとって天国だった」なんて、小6の女の子が書くこととは思えないよ。でも、文章自体は小学生らしいし、全体的に感じるこの繊細さはただ事じゃないですね。というか、本読んでることが多いって言ってるけど、重松清なんて小学生読まないよ、ふつう。なんか、すごい。少し可哀想な気がするくらいに。
でも、今年から中学生になるんだから、たぶんこの連載はもうすぐ終わり。「馴染めるのかな?」なんて他人事ながら不安になる。「せっかくやってきたのに、倒れこむようにゴールして終わりになりたくない。」なんで、こんなに先が見えるんだろう。すごいよ、本当に。自分が恥ずかしくなる。
小学校の時の記憶は、私もたくさん残っているけれど、彼女ほど密度は高くない。私のは不気味なほど「コドモ」のイメージでコーティングされてる記憶だ。

どうやらspoonで連載されてるみたいですね。今売りのではHiromixと対談だって。結構、興味あるかも。うーん、彼女の世界に引き込まれてなきゃいいけれど。私はヒロミックスのイノセント感覚は好きになれない。彼女の写真は繊細で綺麗だけど、小学生が見るものじゃない気がどこかするんだ。ヒロミックスも見えすぎる人だから。
きっと、この子はまだ見なくていいものまで見えちゃうんだろうな。見えすぎるってことは、どこか悲しい。アルチュール・ランボーみたいに。