Book@LIBRO池袋

julien2004-01-23

  1. snoozer #042
  2. J=L・ナンシー / 『無為の共同体

snoozerは一年に一回の年間ベストアルバム特集。ロック誌なのに1位がoutkastなのには笑った。昔に比べたら大分ヒップホップも落ちたけど、まだまだ健在ですね。
そして、こういう選択は今のRockin.onには出来ないことです。人の好みはそれぞれだけど、リンプとかメタリカとかエヴァネッセンスのアルバムなんて選ぶなよと言いたい。昔はともかく最近の彼らってコンサバ過ぎて全然ダメじゃないのさ。渋谷陽一さん、そろそろ編集に戻ってきていただけませんか?
(注・エヴァネッセンスは既聴感バリバリだけど一応新人)
あの雑誌はレコード会社からいくら貰ってるの?って聞きたいです。要するにファミ通と同じ。あの雑誌を参考にしてたらモノは買えません。
ちなみにランキングの他のCDは大方予想通りというか、一応1から10位を紹介しときます。

  1. Outkast / Speakerboxxx & The Love Below
  2. The Rapture / Echoes
  3. The White Stripes / Elephant
  4. Super Furry Animals / Phantom Power
  5. Radiohead / Hail To The Thief
  6. The Strokes / Room On Fire
  7. Plastikman / Closer
  8. Fountains Of Wayne / Welcome Interstate Manager
  9. Prefuse 73 / One Word Extinguisher
  10. Back Drop Bomb / Nipsong

こう見ると新人はラプチャーだけで、かといって大御所といえるのもレディヘと(あえて言えば)ファーリーズくらいかな。とりあえずラプチャー、いきなりの2位は素晴らしいです。前にも書いたように次作がどうなるかは不安ですが。
7位はリッチー・ホウティンの別名義。踊れるみたいですけど、不気味なほど真っ暗な作品なようで。。。とりあえず聞いてみたい。
あと、例によって思いますが、なんらかの形でコンピューターを使っているものが多いですね。もはや必然。そろそろテクノとかハウスといったカテゴリーも要らなくなってるように思います。
ああいったカテゴリーが、かえってジャンルごとにリスナーを閉じ籠めてるように思えてならない。

まあ、snoozerは「ロック」を軸にして、他も雑多に聞くといった感じになっているので、他の雑誌とはかなり趣が違ってますよね。
でも、ロックの歴史ってそういう雑食性にあるわけですし、「ロックはこう」っていうような明確な基準があるわけでもないですし、私にはヒップホップもテクノも、全部ロックだと思うのですが。というか、へたなロックバンドよりも、そういった音楽のほうが、よっぽどロックの精神みたいなものを受け継いでる気がします。



無為の共同体』はナンシーが20年前に書いたものらしいのですが、個人的に色々な方向をフラフラとしてたので、ナンシーを読むのは実は初めてなのです。ただ、訳者のあとがきを読む限りは、かなりタイムリーなものとのこと。タイトルがベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』を踏まえてのものかどうかは不明。

ナンシーはモーリス・ブランショが絶賛したようですが、実を言えば、自分はブランショを読んだことないです。ナンシーとラクー・ラバルトは仲が良いみたいですが、これも読んだこと無し。春休みの課題が増えるばかりだけど、とりあえず、これはバタイユの解釈本かつ「共同体」論のようなので、最近のカオス状態への治療の意も込めて読んでみようと思います。
って、哲学やって欝が治るわきゃないのは百も承知なんですけど、これはマゾヒスティックな病気ですね。