パーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団 @ サントリーホール

・コールマン:ストリートスケープ
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調  諏訪内晶子(Vn)
ベルリオーズ幻想交響曲

目的は当然のように2曲目。知り合いの方が2列目センターを定価で譲って下さったので、お久しぶりの間近での諏訪内さん。
開園10分前に着いたら、例によって周囲は一人で来てるらしきオジサンが多いような。尤も私だって連れいませんけど。


コールマンの曲は初めて聞きましたが、ロマン主義的なストリングスと現代ものっぽい打楽器のリズムが印象主義的に融合された不思議な曲。個人的にはツボでした。CDを探そう。

ブラームスのヴァイコンはいわずと知れた超名曲。
まあ、この曲の時は視覚ばかり使ってしまって聴覚があまり働かないです。相変わらず近寄りがたいというか、はっきり言って怖いんですけど、問題にならないくらい今日も諏訪内さんは綺麗なのでした。
って、これじゃ周囲のオジサンと変わらないぃぃで嫌なので、途中から意識してたのが、彼女の持つヴァイオリンの音色。
彼女が使用しているのは、日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリウスの「ドルフィン」。
ストラドは300年前に作られたものとはいえ、いまだ数百本はあります。とんでもなく高い!んですけど、数自体はけして少なくはないんですね。
けれど、彼女のドルフィンはそんじょそこらのとは物が違う。次元が違っていて、以前にクライスラーが使っていた名器中の名器。
とにかく、この音色は言葉にできません。第3楽章あたりでは聞いてるだけで鳥肌が立ちます。ああ・・

ベルリの『幻想』も説明不要ですが、ぶっちゃけシンシナティオケはレベル高いです。
ロマン主義の曲特有の官能的なうねりがとてもよかった。テンポ・ルバートも上手に使っていたし、情熱的でありながら、壊れすぎることもないのです。
楽員の顔ぶれを見るかぎり、年齢、人種、性別ともに多様なのですが、指揮者のヤルヴィがうまくまとめてると思います。雰囲気がとても良くて、みんなで楽しんで演奏している感じなのです。

それが顕著に現れていたのがアンコール。
最初がベルリの『ラコッツィ行進曲』。いい演奏でしたが、お約束だなぁとか思っていたら、次はロマン全開シベリウスの『悲しみのワルツ』。嗚呼、死ぬほどにいいとか思ってたら、今度は突撃ブラームスの『ハンガリー舞曲』。おお、盛り上げて終わるのかぁって思ってたら、最後にガーシュインの『Shall we dance』をまんまジャジーに演奏して終了。

今日は諏訪内さん目当てで行ったので、期待も何もしてなかったんですが、終わってみれば本当に楽しかった。疲れましたが。