瀕死のハムレット

julien2003-10-24

死の淵でハムレットは、オフィーリアのことを考えていた。
彼はまもなく死ぬだろう。けれど、それは今のことじゃない。
砂時計は何度でも時を刻む。
約束された結末も容易には訪れたりしない。
そして、物語のなかでは誰も本当に死んだりしない。



私は、彼から離れています。
考えることはいくらだってあるのですから。
生と死、そこには二者択一しかないわけじゃありません。
私は言葉で未来を語りました。
でも、それはすべて夢。彼の死を予言したのも一つの夢です。

彼は夢を嫌うでしょう。でも、嫌悪感は愛には変われない。むしろ憎しみだけが、愛することを教えてくれる。

けれど、彼には誰かを憎めるのかしら。
クローディアスは死んで、彼の理性は鎖の終わりを知っている。
そして、私はもう彼に言葉で伝えることはできないわ。