Pretty Mary K No.2

寝れない。空が白んでいくのを今日も見てる。
僕は誰にでも優しくなれる人が理解できないよ。優しさなんて、そんな便利なものなの?
僕はフェミニストでもない。大抵の子は僕のことを偉そうにしている野郎だと思うだろう。
でも、どんなに努力しても僕にはたった一人のための優しさしか持てないんだ。
届かない感情なんて、きっと別の星にしか持っていけないもの。そして、僕は変わらずにこの星の上にいる。ずっと大事にしてきた望遠鏡はレンズが割れてしまった。この目に小さく光って見える星も、空のかなたへと消えて見えなくなっていく。
僕が少しだけ強くなれて、そして、わずかな優しさをずっと持っていられるのは、きっとあの人がいるからだ。
彼女は消えていく星じゃなくて、手を伸ばせば届く場所で眠っているんだろうな。
その吐息を永遠にしたい。僕が消えてしまうその時まで、自分のせめてばかりの場所の中で。
そのために生きてるんだ。僕にとってのリアルはたったそれだけ。