Nowhere

マイセンの青い皿の上にはいつも雪が降っている
白いものがただよってて息することもできやしない おまけにここは寒すぎる
ヘイ 起きろよ そんなんじゃ風邪引くぜ 
苦しんでるうちが 幸せさ
俺なんざ感覚なくして 何をしたかも覚えちゃいない


硝煙はまだ漂い 部屋のなかに満ちる
物音一つせず 奴は床に突っ伏している

まるで何もなかったようだ 
世界は生まれたままの姿のまま ただ静寂が隅々まで満ちている


ヘイ 起きろよ 幻覚はいつまでも続かないぜ
その瓶 一体いくらした?
どこ行きゃ売ってるかを俺は知ってるけど、そいつを買う資格が俺にはないんだ
誰かに棄てられちまったからな 昔の話だが
粉雪なんざに棄てられるのはまっぴらだが 拳銃とは思いもしなかった


チェリーブロッサムの花はまだ硬い蕾のなかだってな
いつになったら変わるんだ ここの風景は退屈だよ いい加減うんざりだ
俺が欲しいのは驚きと刺激
お前なら知ってるだろう よう お前は寝てて俺の話を聞いてやしないんだろうが いい加減そろそろ着いたのかい?
ヘイ 起きろよ 俺には聞きたいことが腐るほどあるのさ
真っ白になるのは世界だけで十分だ 


置き手紙を探せっていうのか 
お前は一人で勝手にいっちまった いっちまった