Book@LIBRO池袋

ネグリなどが現状を「例外状況」と捉えるなかで、シュミットが読まれているとのことで購入。前から気にはなっていました。
ナチスのイデオローグになってしまったりで、色々と問題のあるシュミットですが、30p読む限りではとんでもなく面白い本ですね、これ。
「例外状況」を、正常な状況にとっては「沈黙するしかない」ものと考えてみれば、現在の哲学が陥っているドグマをも、彼の視野は捉えているように思えます。
語りえぬものが、「現状」としてあるという事実を考えれば、このテクストを政治学の文献としてのみ扱うのは、とんでもなく勿体ないことだわ。

例外においてこそ、現実生活の力が、くり返しとして硬直した習慣的なものの殻を突き破るのである。

例外とは何か?哲学においては、絶えず出現する「現状」であり、(従来の)論理では語りえぬものに他ならない。沈黙も一つの行動であり、停止を意味しない。机から立ち上がれば、私たちは呼吸をし、状況のなかに投企されていることに気付く。
いつまで沈黙しているつもりなの?
絶対的な認識さえ求めなければ、物語はいつだって続いているのだ。